manufacture by Bordallo Pinheiro
factory in Caldas da Rainha since 1884

19世紀のポルトガルを代表する風刺画家として名声を極めたラファエル・ボルダロ・ピニェイロ(1846-1905)により、リスボンから北西に位置するガルダス・ダ・ライーニャに1884年開窯されたポルトガルを代表する伝統の陶磁器です。

ラファエル・ボルダロ・ピニェイロ は 、グラフィックデザイナー、イラストレーター、デコレーターという幅広い芸術活動の傍ら、政治家、ジャーナリストなどのジャンルでも名高い人物でした。1984年にファブリカ・デ・カルダスを設立すると、リスボンから北西に位置するガルダス・ダ・ライーニャに工場を構えアートディレクターとして陶芸の創作活動を始めます。アールヌーボーやバロック調の装飾的なデザインから、ナチュラリズムに影響を受けた自然や動物のモチーフなどを描きアズレージョをモデル化しました。 風刺画家らしいユーモアあふれる独特の作風で、洗礼のためのシンクなどの立体造形、テーブルウエア、デコレーションアイテムなど、これまでの芸術活動の様に多岐にわたります。彼の著名な作品は、1892年マドリッドの国際万博をはじめ、EXPOなど5カ国の国際展示で金賞を受賞しています。

21年間におよんだラファエルの活動は、ガルダス・ダ・ライーニャ地域の伝統である陶磁器の歴史に大きな影響を与え、その魂、テクニックと手しごとはクラフトマンに受継がれています。彼のドローイングから近代的なアレンジをほどこしながら作り続けられるボッテリとした懐かしさをたずさえつつ、それぞれの個性豊かな表情からあたたかさを感じるのは、今もなお全ての工程においてひとつづつ丁寧に手づくりで仕上げられている陶磁器だからなのです。そして、ポルトガルのどこの家庭でも日常の中で愛され続けています。